「ひなたぼっこ」設立の想い

代表 西岡美紀恵
代表 西岡美紀恵

子どもたちの生きづらさ

長年、教員としてたくさんの子どもたちに関わってきました。1980年代後半から学校に来られない子どもたちが少しづつ増えてきました。また、学校に来ている子どもたちの中にも教室にいられない子や自分の気持ちを誰にも言えない子たちがいて、校内に「相談室」を設け、退職までの3年間は相談室に常駐していました。

 

2003年に退職して八ヶ岳南麓に移り住んだ時、ライフワークとして「不登校の子どもたちの居場所を作り、ここで子どもたちに元気を取り戻してもらいたい、自分の道をみつけてもらいたい」と考えました。

学校に行けなくて辛い思いを抱えた子ども(親も)が、そこに行けば気兼ねなく話が出来、気分転換が出来、少し気持ちが楽になり、少し元気が出て、また来ようかなと思える、そんな場所を作りたいと。

 

もうひとつ、この立ち上げの後押しをしたのは、児童養護施設の子どもたちの”心の叫び”です。竜王にある児童養護施設を週一回訪問していたのですが、訪れるたびに身体中で訴えている子どもたちの”心の叫び”が胸につきささります。親から、家庭から引き離されて暮らさなければならない小さな子どもたち。

今子育てはとても難しい時代、みんなで支えあって子どもたちを育てていかなければいけないのではないかと思うのです。

「一緒にやりましょう!」という仲間と出会い、「とにかく一歩を踏み出そう。何が必要かはやっていく中で一緒に考えて行こう。」と2009年7月に「ひなたぼっこ」を立ち上げました。

 

                              2013年6月

心も身体も硬くしてうずくまっている子どもたち、その後は一向に減少する気配はありません。

 

直接的原因(きっかけ) 

個々さまざま。いじめ、給食、教員の対応、親・兄弟の関係、友だちなど。発達障害があってコミュニケーションがうまくとれないケースが増えている。

間接的原因(環境との不適合)

少数意見を認めない、みんな同じでなければいけない、競争的な教育現場、将来を見通せない社会、人生設計ができない不安定な社会、子どもたちの生きる力など。

 

不登校は、自分を守るための緊急避難の姿。これ以上我慢したら自分が壊れてしまうと感じて止む無くとった行動、必死でがんばってきた子どもたちが発するSOS。

ゆっくり休んで、元気が出たらまた動き出せばよい。それまでちょっと来れる場所。仲間と会える小さな集団が必要。

「ひなたぼっこ」はそういう場所です。

子どもたちが、自分を信じられるように、そして一人一人持っている可能性を発揮できるよう、いい人生を送れるようサポートできればと思っています。


不登校の子どもたちは、統計に載っているだけでも全国で13万人、実際にはその何倍もいると考えられています。そして、学齢期を過ぎた若者で、20代30代のいわゆる”ひきこもり”とみられる若者は、50万人とも100万人とも言われています。

可能性をいっぱい持っている未来を担う子どもたち、若者たちがこんなにもたくさん辛い思いをしているという国は、一体なんなんだと憤りがこみあげます。

 

<以下 小児科医永井敬二氏の講演より>

 

日本の子どもが置かれている悲惨な状況を明らかにした調査がありました。ユニセフの「先進国における子どもの幸せ」に関する各国の評価です。2007年に発表されました。

この調査の中で日本の15歳の子どもの30%が「孤独を感じる」に同意しています。2番目に多い国の3倍というとびぬけた割合です。落ち着ける居場所がない状況を示しているとも考えられます。

 

日本の学校においては、期待される授業レベルは高くなり、IQが120くらいないと、安心して授業に出られないとも言われています。IQ120を超える子どもは10%にすぎません。多くの子どもが不安な気持ちで学校に行っているといえます。

 

よく似た調査が、5月の山梨日日新聞に載っていました。山梨の小学5年と中学1年の調査で「自分が好きでない」と答えた子どもが、約半数を占めたという結果でした。自尊感情の調査ともいえると思います。日本人そのものが他国と比べて自尊感情が低いのではないかと言われていますが、山梨が特に低いのであれば、不登校の多さとの関係も考えさせられます。謙遜が美徳という日本の精神風土も、影響しているかと思いますが、それにしても驚くべき割合です。

ひなたぼっこという小さな小さな社会で、一人一人の子どもたちの気持ちを大事にしながら、他人とゆっくり接する中で、不安が少しずつ減って元気が出てくるように思います。

親御さんが辛さや不安を語る場ができたということで、焦りが減り、待つことが出来るようになることも、子どもが楽になる大きな要素だと思います。

「子どもが不登校になったおかげで、私の考えが変わりました。子どもに感謝しています。」と言われるお母さん。”すごいな!”と思います。

また、子どもはひなたぼっこに来れないけれど、お母さんが通って来て、思いを語り、子どもと少し距離を持って接することが出来るようになって、子どもとの関係がよくなったと言うお母さんもおられます。

 

 

ひなたぼっこの会員は、現在100名を超えています。

財政面で支援をしてくださる方、特技を生かして子どもたちにいろいろな体験をさせてくださる方、多くの方々に支えられて頂きながら、ひなたぼっこが子どもたちや親御さんがほっと出来る場であるように、これからも続けて行きたいと思っています。

運営的にはとても苦しい状況です。続けていくためには、この点でもこれから工夫が必要だと考えています。

 

 

                   「ひなたぼっこ」代表 西岡美紀恵

不登校の子どもたちの居場所        「ひなたぼっこ」
不登校の子どもたちの居場所  「ひなたぼっこ」

〒408-0025
山梨県北杜市長坂町

長坂下條1237-3
日野春學舎2階

(旧日野春小学校内)

〈居場所〉

毎週水曜日 

10:00~16:00

 

〈学習タイム〉
毎週火曜日
14:00~17:00