不登校・ひきこもりの問題

不登校の問題

 

学校に行けない(行かない)ことは問題ではありません、

学校外の学びの場や居場所が少ないことが問題なのです。

 

義務教育とは簡単に言えば大人が子どもに「学びの機会」を提供する義務です。

また子どもは「学びを選択する」権利を持っています。

 

つまり、不登校の問題は子ども個人の問題ではなく

現代社会に生きる大人全員の問題なのです。

 

 

学校に行けなくなるきっかけ

 

いじめ、給食、教員の対応、親・兄弟の関係、友だち、コロナ禍など、

コミュニケーションがうまくとれないケースも増えています。

 

少数意見を認めない、みんな同じでなければいけない、

勉強で評価されるなど、

 学校に行けなくなるきっかけは、個々様々です。

 

 

子どもたちのSOS

 

 不登校は、自分を守るための緊急避難の姿です。

 

これ以上我慢したら自分が壊れてしまうと感じてやむなくとった行動、

必死でがんばってきた子どもたちが発するSOSです。

 

 

不登校の現状(2022年)

 

全国の不登校の子どもの数は24万人以上にのぼります。

そして山梨県にも小学生・中学生・高校生合わせて、

1681人もの不登校の子どもがいると公表されてます。

 

さらに認知されたイジメの件数は7150件です。

(あくまで認知されたものなので、実際にはさらに多いと思われます。)

これは全国平均から考えても

飛び抜けて多い数値を表しています。

 

また令和2年度の時点で

19万6千人程の不登校生徒のうち14万人

つまり全体の約70%は適応指導教室・フリースクール等、

どこにも行けていないという衝撃のデータがあります。

これは現在にも当てはまると考えられます。

 

すると現在、約18万人の不登校の児童・生徒が

家以外に居場所がないという事です。

 

 

ひきこもりの現状

 

そして、学齢期を過ぎた若者で、

20代30代のいわゆる

”ひきこもり”とみられる若者は、

50万人とも100万人とも言われています。

可能性をいっぱい持っている未来を担う子どもたち、若者たちが

こんなにもたくさん辛い思いをしているという国は、

 

一体なんなんだと憤りがこみあげます。

 

 


居場所の大切さ

 

ゆっくり休んで、元気が出たらまた動き出せばよい。

それまでちょっと来れる場所。

仲間と会える居場所が必要。

 

「ひなたぼっこ」はそういう場所です。

子どもたちが、自分を信じられるように、

そして一人一人持っている可能性を発揮できるよう、

 

サポートできればと思っています。

 

 

『ひなたぼっこ』という小さな小さな社会で、

一人一人の子どもたちの気持ちを大事にしながら、

さまざまな人とゆっくり接する中で、

不安が少しずつ減って元気が出てきます。

 

親ごさんが辛さや不安を語る場ができたということで

焦りが減り、待つことが出来るようになることも

子どもが楽になる大きな要素です。

 

また、子どもはひなたぼっこに来れないけれど、

お母さんが通って来て、思いを語り、

子どもと少し距離を持って接することが出来るようになって、

子どもとの関係がよくなったと言うお母さんもおられます。

 

 


<以下 小児科医永井敬二氏の講演より>

 

日本の子どもが置かれている悲惨な状況を明らかにした調査がありました。

 

ユニセフの「先進国における子どもの幸せ」に関する各国の評価です。

2007年に発表されました。

この調査の中で日本の15歳の子どもの30%が

 

「孤独を感じる」

 

同意しています。

2番目に多い国の3倍というとびぬけた割合です。

落ち着ける居場所がない状況を示しているとも考えられます。

 

よく似た調査が、5月の山梨日日新聞に載っていました。

山梨の小学5年と中学1年の調査で「自分が好きでない」と答えた子どもが、

約半数を占めたという結果でした。

自尊感情の調査ともいえると思います。

 

日本人そのものが他国と比べて

自尊感情が低いのではないかと言われていますが、

山梨が特に低いのであれば

不登校の多さとの関係も考えさせられます。

謙遜が美徳という日本の精神風土も影響しているかと思いますが、

それにしても驚くべき割合です。